『旅のスケッチ』トーベ・ヤンソン
『ムーミン』シリーズでお馴染みの、フィンランドを代表する作家トーベ・ヤンソン。本作は、彼女が『ムーミン』シリーズを生み出す前の、20代の頃に書かれた初期短編集です。
週末のパリの喧騒に鬱陶しげなヴァイオリニスト、ドレスデンの郵便局に手紙が届いていないか確認することを生き甲斐とする男、カプリに新婚旅行に来た夫婦など、戦前のヨーロッパの各都市を舞台に、魅力的な登場人物たちの出来事が、皮肉とユーモアと愛に満ちた文章と、愛らしい挿画の数々によって描かれます。
北はヘルシンキから、南はイタリアのリゾートまで、戦前の少し暗い雰囲気の漂うヨーロッパを、若き芸術家トーベ・ヤンソンが旅して、描いた、初々しく、キラキラと輝く珠玉の8作品が、美しい装丁の書籍の中に綴じられた一冊です。